『ゆっくりおやすみ、樹の下で』51−60話目の感想

『ゆっくりおやすみ、樹の下で』51−60話目の感想

7月1日から『ゆっくりおやすみ、樹の下で』を1日1話ずつ読んでいる。

すべて読み終わったら感想を書く予定だけど、それまでの小さな感想もどこかに残しておきたいなと思った。

今回は8月20日〜8月29日、51話〜60話目までの感想。私の記録もセットで残したいなぁと思って、個人的な日記も残してる。余計な情報追加しちゃってごめんね。

ネタバレしているので、未読の人は読まないでほしい。何も知らずに触れたほうが、きっとピカピカして素敵だよ。

物語はとつぜん動き出す。え、館の話だと思っていたのに。大きな、穏やかな、いろんな笑い声と、愉快な楽器の音が聴こえてくる、そんな10日間。

『ゆっくりおやすみ、樹の下で』感想一覧


【01~10話】 【11~20話目】 【21~30話目】 【31~40話目】 【41~50話目】
【51~60話目】 【61~70話目】 【71~80話目】

8/20 51 なにかにつづく道

内容

リングが連れて行ってくれる夏の道の話。

感想

だからもう、「続きはCMの後で」的な締めはやめてください。続きが気になって眠れなくなってしまいます!

一言日記

朝から晩まで絵を描いた日。

8/21 52 もうひとつの……

内容

リングが駆け抜けた夏のある日の話。

感想

急にお話が動きはじめた。突然すぎで驚いた。もう夏休みも終わろうとしている、っていうか地域によっては終わっているのに。

リングみたいにゆっくりと物語を語ってくれていた語り手が、この話のリングみたいに急に駆け出して、知らない場所に連れてこられた。私もミレイちゃんも呆気にとられている。

一言日記

今日は寝不足でとにかく眠かった日。昔はこれが当たり前だったんだ。なんと恐ろしいことだ。

8/22 53 あした

内容

さっき見たものと、一緒に、おやすみなさいな話。

感想

誰かが眠る前のお話は好き。たいていは幸せな触り心地だから。あー!もう、「おやすみ、ミレイちゃん。また、あしたね。」って素晴らしいおしまいの言葉。「また、あした」って大好きなの。

一言日記

文章を書いた日。文章を書くと絵が描けなくなる。今日もやっぱりそうだった。おもしろいねぇ。

8/23 54 リング、走る

内容

風が吹いて、リングが駆けていった話。

感想

すごくすごく「児童文学」的なお話。どの辺が?って言われると説明できないんだけど、子供の頃に読んだはずの「児童文学」を思い出した。毎日通った児童館の図書室を思い出した。

一言日記

暑い暑い夏が帰ってきてしまった日。真面目に仕事をしたら疲れ切ってしまった。真面目は人は大変だなぁ。

8/24 55 笑う人

内容

「あれ」の先でリングを捕まえてくれた人の話。

感想

「あれ」、つまり異世界への訪問。「あれ」って、たいていは扉の向こうに広がっていて、危ない目になったりしながら、気がつくと帰ってきたりするものなのに、この物語は犬の散歩で行くんだな。まさか「館」の外で「あれ」するなんて。前回はたまたまだと思っていたけど、どうやらたまたまではないらしい。面白いなぁ。それって。

一言日記

今日は一枚絵を仕上げた。絵というものは不思議で、描いているうちに、描いている人をどんどん好きになっていく。もっとよく描いてあげたい、もっともっと!なのに私の実力じゃ描けない!そんな気持ちで描き終わって、また絵の勉強をはじめる。

8/25 56 彼ら

内容

笑う人と一緒に「彼ら」にあう話。

感想

私はあまりものを知らないので「彼ら」のモデルが誰なのか、わからない。でも、物語の中に「彼ら」はいて、そのモデルとなった人たちもいる。少しかたちを変えて、本の中に生きていく。それってちょっとおもしろいよね。
あ、現実では、知らない人についていってはいけないよ。

一言日記

おつかれさまの金曜日。友人の誕生日ケーキを予約した。なんか、こういうのやったことなくて、嬉しかった日。

8/26 57 三人姉妹

内容

美しい物語と三人姉妹の話。

感想

私はこのお話を読む時、なるべく一人の時間をつくって、音読するようにしている。

今日は、どうしてだかわからないけれど、涙が出そうになった。それも、鎌倉カーニバルの楽隊の音楽がとぎれとぎれに聞こえてきたあたりで。

夏祭りの季節に遠くにお神輿の音が聴こえてくるみたいに。近所の小学生のパレードの音が聴こえてくるみたいに。遠くから聞こえる、たくさんの人たちが奏でる音。

一言日記

少しずつ自分の取り扱い方がわかってきた日。やっと前に進めるようになったのだ。

8/27 58 わたしたちだけここに残って

内容

残る人たちと、発つ人の話。

感想

私はあまり役に立たないような話が好きだ。誰かと、おおよそ何の役にも立たないようなことを話すのが。

気の合う仲間がいて、遠くにはカーニバルの音が聴こえて。なんと素敵な場所だろう。

一言日記

親しい人とたくさん話しをした日。頭の中に言葉が溢れて溺れそう。

8/28 59 さよなら、林の奥の家の人たち

内容

あの場所からの帰り道の話。

感想

リングが行きたかったのか、リンクは連れていきたかったのか。それとも、呼ばれたのかな。こういう場所に来れるのもすごいし、ひとりで帰れるのもすごい。私だったらずっとその場所にいてしまうかも。大好きで安心できる場所があると、何があってもちゃんと帰ってこれるんだ。

一言日記

ひとりだったので、好きなものを食べた。でもそれは本当に私の食べたいものだったんだろうか。

8/29 60 絵の中で、いつまでも

内容

あの場所の絵と、バーバの思い出の話。

感想

絵っていいなぁ。(デジタルじゃない)絵の良いところは残るところ。見ようと思わなくても、そこにあるところ。

ミレイちゃんの体験は、おばあちゃんの夢なのか、リングの見たものなのか、それとも別個の体験なのか。世界は曖昧でぼんやりしている。

一言日記

良くない夢ではじまった。

まとめ

60日が終わった。おかしいなぁ、こう、もっと大きくて派手な不思議体験があると思っていたのに。不思議な体験、あったけど。少しイメージと違った。怖くなくて、不気味でもない。懐かしい。知らないけど、懐かしい感覚。静かだし、優しいし。

それと、本を読みたくなった。たくさんの本。静かに考える時間。

あぁ、あと30日か。寂しいな。嫌、だなぁ。