欠点から生まれる特技もある。

欠点から生まれる特技もある

好きな食べ物がバラバラなように、同じ診断を受けていても、得意なこと・困っていることは人それぞれ。このブログに書かれていることは、発達障害者みんなが感じていることではない。私が思い、考えていること。たった一つの事例。

私と同じことで困っている人に、私のような人を理解したいと思う人に、届いたら嬉しいと私は思う。
私は人から「マニュアルを作るのが上手だね」と、よく言われる。仕事でもプライベートでも言われるから、本当に得意なのだと思う。

言われる度に「ありがとうございます」と返していたけれど、自分としては必要な情報を並べているだけだから、なぜ人から評価されるのか不思議でしかたがなかった。

その疑問は予想外の所で解消された。

先日、病院で知能テストを受ける機会があった。その人の「頭の使い方」を調べるテストだ。

そのフィードバックにこんな事が書いてあった。

臨機応変に対処しようとすると、いっぱいいっぱいになってしまうので、自分にあったルールを決め、自分用のマニュアルと作ると上手くできるかも
(原文は公開しない約束だから、自分の言葉に直している)

先生の話を聴きながら、(だから私はマニュアル作りが得意なんだな……)と妙に納得してしまった。

おそらく私は「臨機応変な対応は苦手だが、決められたルールの中でなら、持っている力を十分に発揮できる」という自分の特性を無意識のうちに理解していて、それを実行するためにあらゆるものをマニュアル化していたのだ。

どの職場でも「自分用お仕事マニュアル」をガッチリ作っていたし、私以外の誰でも同じ質の仕事ができるように、なるべく標準化・言語化してきた。それはプライベートでも同じだ。

私は生きるためにマニュアルを作り続けてきた。

いうなれば「24時間365日」マニュアルを作り続けてきたのだから、その辺の人とは試行回数の桁が違う、意識せず作っても得意なはずである。

ちなみに、私は「あらゆる失敗を想定して、可能な限り予防策をつくる。失敗しても大丈夫な構造にする」のも比較的得意なのだが、これもまた「ワーキングメモリの貧弱さゆえ、ものごとを頻繁に忘れ・失敗する」という特性をカバーするために生まれた能力だ。

これに気がついた時、ちょっと複雑だったけれど、自分の特技が少し愛おしくなった。がんばってきたんだなぁ、自分。

「よくわからないけど、人から褒められるモノ」

それは自分に足りないところを補うため、無意識のうちに蓄積された、あなたの大切な努力の結晶なのかもしれない。

さて、明日は何を書こうかな。